遺品整理と特殊清掃の違い、その依頼方法

最近は遺品整理と特殊清掃をセットで依頼するケースが増えています。少子高齢化や核家族化といった時代背景により、孤独死、孤立死が増加していることが原因です。自宅や病院で誰かに看取られながら亡くなった場合、ご遺体は然るべきところに安置されますので問題ありません。しかし、孤独死、孤立死、事件、事故、自殺などの場合は発見が遅れて汚染や悪臭への対処が必要になることがあります。その場合は遺品整理と特殊清掃を合わせて行うという選択肢があります。

遺品整理と特殊清掃の違い

【遺品整理】
遺品整理とは、文字通り亡くなった方が所有していた遺品を整理することです。ゴミ、不用品、衣類、食料品、本、日用雑貨、家財道具をはじめ、書類、貴重品、思い出の品など多種多彩な物品を適切に処分します。遺品には故人や家族の“想い”がこもっているので、不要だとしても無造作に投げ捨てることはできません。ご遺族は「なるべく生かしてほしい」と思うので配慮が必要です。この遺品整理を実施するタイミングも、葬儀後、初七日後、四十九日後、数年後など、お客様のご要望次第となります。ただし故人が賃貸住宅にお住まいだった場合は、家賃負担がありますから、早急に遺品整理をして物件を明け渡す必要があります。その場合は早急に遺品整理を行うことになります。

任意整理の料金(概算)はおおむね次のようになります。部屋の広さと作業員数によって料金は変動します。


・1DK 作業員2人  55,000円より
・2DK 作業員3人 110,000円より
・3DK 作業員5人 170,000円より
・4DK 作業員6名 220,000円より

【特殊清掃】
特殊清掃とは、人が亡くなった部屋から血液、体液、悪臭などの痕跡を消し、通常通りに部屋が使えるように原状復帰させるサービスです。まさに文字通り「特殊な清掃」といえます。亡くなり方が、孤独死、孤立死、事件、事故、自殺などの場合は、まず早急に特殊清掃をして汚染や悪臭を取り除いてから、落ち着いて遺品整理を行います。荷物や家具の状況によっては特殊清掃の前にやむをえず遺品整理をしなくてはならない場合もあります。なお特殊清掃では最終段階でオゾン脱臭器を使用して徹底的に脱臭することが多いですが、この場合はオゾンと換気の繰り返しで数日の期間が必要になります。

特殊清掃の基本的な作業項目の料金はおおむね次のようになります。


・床上清掃 30,000円より
・浴室清掃 50,000円より
・畳の撤去 1枚3,000円より
・消臭・除菌 10,000円より
・オゾン処理 30,000円より

特殊清掃に合わせて遺品整理を依頼するのが一般的

特殊清掃が必要なケース(孤独死、孤立死、事件、事故、自殺等)では、迅速に動くことが必要です。放置が長引けば長引くほど汚れや悪臭が広がっていくからです。汚れや悪臭が広がると掛かる費用もどんどん高くなってしまいます。また、残された血液や体液が床下まで届いてしまうと特殊清掃では対処できなくなり、根本的なリフォームが必要になります。ですから特殊清掃はいつも「緊急」です。特殊清掃が必要なケースでは、早急に業者を決めるべきです。そして、特殊清掃に合わせて、ほぼ同時に遺品整理を行うことが一般的になっています。遺体が残した汚染を除去し、悪臭を解消し、ひとまず部屋に入ることができる状態になったら、そのまま遺品整理を始めると効率的です。
脱臭に関しては遺品整理後にも必要な場合がありますが、そのようなケースを考えても業者を決める際には特殊清掃と遺品整理の両方を行っている業者を選ぶことが大事です。

同じ業者に依頼はできる?必要な資格に違いは?

同じ業者に遺品整理と特殊清掃を合わせて依頼すると「料金が高くなるのではないか?」とお思いになるお客様もいらっしゃるようです。しかし、特殊清掃を終わらせてから別の業者に遺品整理を依頼するよりも、まとめてセットで依頼したほうが安い料金で済むことが多いのです。見積もりを取った上で、なるべく同じ業者に依頼しましょう。

なお、業者は「遺品整理士」と「特殊清掃士」の両方の資格を持っているところであれば安心です。持っている資格や実績については見積もりの際に確認してみるとよいでしょう。

ホームページ上にて遺品と特殊清掃の資格証を確認してみるとよいでしょう

業者を選ぶ際の注意点

・安すぎる業者は避ける
遺品整理と特殊清掃を依頼する際に、あまりにも低価格な見積もりを提示する業者には用心しましょう。一般的にホームページやパンフレットに掲載されている相場より、著しく安い場合は作業が雑だったり、追加料金を請求されたりすることがあります。

・ていねいな業者を見つける
特に特殊清掃の場合は、孤独死、孤立死、事件、事故、自殺等の現場を扱うわけですから、簡単に終わるような作業ではありません。ある程度時間を掛けて、ていねいに作業する業者を選ぶようにしましょう。そのためには問い合わせの電話や、見積もりの面談の際に、誠意ある対応をしてくれる業者かどうか、見極めるようにするとよいでしょう。

・遺品整理と特殊清掃の両方できる業者を選ぶ
先に述べたように遺品整理と特殊清掃は別々に実施するよりは、セットで同じ業者に依頼したほうが意思の疎通もよく、料金も安上がりになります。特殊清掃で汚れや匂いを除去してから遺品整理を始めるか、遺品を撤去してから特殊清掃に入るか、それは現場の状況によります。経験豊富な業者であれば、そうしたノウハウも熟知しています。遺品整理と特殊清掃の業務を知り尽くした業者を選びましょう。

まとめ

遺品整理も、特殊清掃も、生活環境を再生させる大事な作業です。片付けることで残された人々は生まれ変わることができ、家族や後継者の新しい生活環境が出来上がります。特に特殊清掃を必要とする状況は、残された家族や周囲の人々にとって緊急を要する事態です。ご遺体を搬出したら、なるべく早く特殊清掃に取り掛かり、併せて遺品整理も行なえるように動くのがベストです。そのためには信頼できる経験と実績の豊富な業者に依頼するようにしましょう。私たち「遺品整理ふくろう」は遺品整理と特殊清掃のいずれにも豊富な実績を持っており、信頼できるサービスを提供しています。お気軽にご連絡ください。

この記事の監修者

山本 真一郎
山本 真一郎株式会社ふくろう 代表取締役
自らお見積り、遺品整理、特殊清掃、不動産調査を担当。現場を肌で感じお客様の要望を常に意識している。「誠意」と「技術」を信条とし、ご遺族様に心から寄り添い、真心の遺品整理や生前整理を日々行う。
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