遺品整理と相続放棄の密接な関連性をプロが解説
遺品整理の全体的な流れと具体的な準備について再確認しながら、遺品整理と相続放棄の関連性をピックアップし、そのメリット・デメリットを紹介します。相続放棄とは相続人(相続を受ける人)が被相続人(亡くなった人)の権利や義務を受け継がない選択のこと。借金などマイナスの財産がある場合に使われる権利です。ただし遺品整理を行うことで相続放棄の選択肢が失われる可能性があります。また他にも遺品整理をする際の注意点として、家族や親族との協議の重要性、遺品整理業者の選定、遺品整理の費用などが挙げられます。
目次
遺品整理とは
遺品整理とは亡くなった人が使用または保有していた持ち物を整理し、居住空間を再生させる作業のことです。故人が暮らしていた生活環境は家族や親戚にとって思い出の場所でもあり、遺品の処分をためらいがちになります。しかし、いつまでも持ち物を放置しておくわけにはいきません。室内には重要書類、貴重品、家具、家電製品、日用品、思い出の品、趣味の物なども残されていることでしょう。遺族や親族にとってそれらは形見分けするか、保存するか、処分するか微妙に迷う存在です。場合によっては遺品整理のプロフェッショナル(遺品整理士)に任せる方法もあります。遺品整理業者は必要な物を捜索し、価値ある物を保管し、買い取る物と廃棄する物を仕分けし、あらゆる物を適正に整理整頓します。遺品整理、それは遺族や親族にとって故人の記憶を胸に秘め、明日に向かって歩きはじめるリ・スタートの機会かもしれません。
遺品整理の流れ
亡くなった方が部屋に残した遺品を整理または処分するのが遺品整理の仕事です。遺品整理の流れはおおむね次のとおり。私たち遺品整理ふくろうは誠実で効率的な作業工程を構築することでお客様に貢献しています。
【お問い合わせ】
遺品整理の目的や最終形はお客様によって千差万別です。私たちふくろうの遺品整理士はお客様が漠然とお持ちのイメージを具体化し、納得のいく作業工程をご提案します。もちろんお問い合わせは無料ですのでご安心ください。
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【現地調査&お見積り】
ふくろうでは必ず現地調査にお伺いします。建物や敷地をお客様の立会いのもとで拝見し、その場で正確な見積書を作成します。故人の遺志を尊重しながら依頼主様のご予算や状況に合わせた作業をお約束します。
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【近隣への配慮】
作業当日はまずご近所様に丁重にご挨拶し、遺品整理の作業がご迷惑にならないよう配慮します。特に壁や床の養生、搬出経路や駐車スペースの確保などは慎重に作業します。
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【作業員の情報共有】
作業員は遺品整理1件につき最低3回のミーティングを行い、検索物などの重要な情報について理解を徹底します。またお客様が保存する物品、処分する物品、清掃などについても念入りに確認します。
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【建物や家具に傷をつけない】
搬出経路と室内外を養生してキズをつけないように作業します。
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【遺品の分別・梱包】
遺品整理の現場には必要なものと不要なものが混在しています。これを10品目以上に分別し、保存するものや売却できるものは依頼主様にお渡しします。ゴミは可燃物と不燃物に分別し、資源ごみ(紙製品・古布・ペットボトルなど)や粗大ゴミ(家具・家電製品など)に仕分けします。こうしてまとめられた遺品はていねいに梱包してそれぞれの行先に運びます。
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【清掃】
遺品整理作業が完了しますと、ふくろうの作業員が空になった室内を清掃させていただきます。業界では30分以内の簡易清掃が主流ですが、私どもふくろうの場合は90分から120分かけてていねいに撤収と清掃を行います。
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【依頼主様とともに最終確認】
最後に作業員が室内外をお客様と一緒に点検し、お渡しする貴重品、持ち帰る物、処分する物、供養する物などに仕分けして終了となります。
遺品整理の際に準備するもの
遺品整理を私たちふくろうのような専門業者に依頼するか、自分たちで行うか、迷っているかたもおられると思います。その判断材料は突き詰めると「費用」と「時間」と「環境」に集約されます。費用については必ず見積りを取って可否を検討しましょう。またご依頼主がお勤めしている場合は休日や夜間に作業する必要があるので、これも調整が必要になります。そして一戸建て、集合住宅、店舗付住宅など遺品整理の現場はケース・バイ・ケースですので、建物や敷地の環境にも配慮が必要です。当日は業者に依頼するにしても、自分たちで行うにしても、遺品整理の作業が円滑に進むように準備しておきましょう。
【準備しておきたいもの】
・汚れてもよい衣服 | ・帽子 |
・マスク | ・手袋 |
・ゴミ袋 | ・水とバケツ |
・スプレー式殺虫剤 | ・ダンボール箱 |
・収納ケース | ・ガムテープ |
・養生テープ | ・ビニールひも |
・工具類(ハサミ・ペンチ・ドライバーなど) | ・台車 |
遺品整理の作業は掃除に似ています。まず永年積もったホコリや放置されたゴミを排除しなくてはならないので、全身が汚れることは覚悟しましょう。作業がはじまったら必要なものか不要なものか判断しながら進行しますが、特に貴重品や重要書類などはきちんと保管するようにします。
【遺品整理で残すべきもの】
・現金 | ・貴金属、宝石、高級腕時計など |
・身分証明書(運転免許証、パスポートなど | ・印鑑 |
・預金通帳 | ・キャッシュカード |
・クレジットカード | ・健康保険証 |
・年金手帳 | ・遺言書 |
・不動産権利証および売買契約書 |
遺品整理で出た家電、家具、衣服などは状態が良ければリサイクルやリユースに回します。特に家電リサイクル法に定められた以下の家電は、リサイクルが義務付けられているので要注意です。
【リサイクル家電】
・テレビ | ・エアコン |
・冷蔵庫・冷凍庫 | ・洗濯機・衣類乾燥機 |
このように遺品整理について詳細を見てくると、素人が完璧にこなすのはなかなか難しいということがわかってきます。そんな時は遺品整理に豊富な経験と実績を持つ専門家に依頼すれば安心です。
ぜひ私たちふくろうにお気軽にご相談ください。
相続放棄とは
相続放棄のメリット・デメリット
相続放棄とは相続人が被相続人の権利・義務・財産を受け継がない場合に宣言するものです。通常の相続であれば現金、預貯金、不動産、家財などプラスの財産が残るので相続人は喜んで相続を受けるはずです。しかし借金やローンなど大きな残債がある場合は差し引きするとマイナスの財産しか残らないことがあります。その時に相続のすべてを手放すこと、それが主な相続放棄です。
相続放棄の方法
相続放棄を有効にするためには、自分のために相続が開始されたことを知った日から3か月以内に相続放棄の手続きをしなくてはなりません。必要な手続きは「被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に対し、相続放棄の申述書と必要書類を提出して受理されなければならない」というものです。
遺品整理と相続放棄の関連性
みなさまは遺品整理と相続が密接な関係にあることをご存知でしょうか。特に相続放棄をしようとしている場合は留意しなくてはなりません。というのも相続放棄の前後に遺品整理を行うと禁止行為に抵触するおそれがあるからです。その禁止行為を大きく2点にわけると「相続放棄前の相続財産の処分行為」と「相続放棄後の相続財産の隠匿・消費」となります。前者では相続放棄を考えているのに遺品を処分してしまうことで相続する意志があると見なされ、家庭裁判所が相続放棄を認めてくれなくなります。また後者は相続放棄をしたにもかかわらず遺品を隠匿したり消費したりすることで家庭裁判所から相続放棄を取り消されます。すなわち相続放棄の前後に遺品整理をするのは望ましくないということになります。
遺品整理と相続放棄の注意点
家族や親族との協議が大事
遺品整理と相続放棄に関してはよく考えて慎重に行動することが重要です。特に家族や親族とは協議を重ね、相続人または法定相続人のコミュニケーションを深めることです。では相続放棄を視野に入れた場合、具体的にどのような禁止行為があるのでしょうか。参考までに以下をご覧ください。
- ・預貯金の引き出し
- ・預貯金口座の解約および名義変更
- ・家屋の売却や解体
- ・賃貸アパートの解約
- ・高額遺品の整理(貴重品・家具・家電等)
- ・携帯電話の解約
- ・自動車の処分
- ・被相続人の資産から債務の支払い
- ・入院費の支払い
- ・葬儀の支払い
これらの行為を行うと「相続財産の処分行為をした」と家裁に判断され、相続放棄が認められなくなる可能性があります。例えば被相続人が賃貸アパートに住んでいたとして、死亡後に大家や管理会社から関係者に未払家賃の催促があります。こういう時に善意で現金や預貯金から払ってしまうと、家裁は「相続の意思あり」と見なしてしまいます。このような事情があるので、相続放棄を考えている場合、遺産のやりとりは回避するべきです。
遺品整理業者の選定
遺品整理は私たちふくろうのような経験と実績の豊富な専門業者に依頼するのが最も安心・安全・効率的です。先に述べたように遺品整理と相続放棄は密接な関係があり、特に「相続人が相続放棄を想定している場合に遺品整理を行うのは避けたほうがよい」という鉄則があります。なぜなら遺品整理で相続財産の処分行為をしたと見なされ、家庭裁判所が相続放棄を認めない可能性があるからです。すなわち相続放棄を検討している場合は遺品整理を回避するのが王道です。このような知識も遺品整理業者には欠かせません。業者選択は慎重に行ってください。
遺品整理の費用と相場
遺品整理の費用も会社によって様々です。ここでは一般的な遺品整理業者の平均的な費用相場と弊社遺品整理ふくろう」の料金表を参考として掲載します。
遺品整理業者の平均的な費用相場
間取り | 作業時間(目安) | 料金 |
---|---|---|
1R・1K | 1~3時間 | 30,000~80,000円 |
1DK~1LDK | 2~6時間 | 55,000~200,000円 |
2DK~2LDK | 2~8時間 | 90,000~450,000円 |
3DK~3LDK | 4~12時間 | 150,000~400,000円 |
4LDK以上 | 6~15時間 | 250,000~500,000円 |
※企業ごとに料金や作業時間に差があるため幅を持たせた表記にしています。
遺品整理ふくろうの費用
間取り | 作業時間(目安) | 料金 |
---|---|---|
1K | 1時間程度 | 25,000円~ |
1DK | 1~2時間 | 55,000円~ |
1LDK | 1~2時間 | 70,000円~ |
2DK | 2~3時間 | 89,000円~ |
2LDK | 2~3時間 | 99,000円~ |
3DK | 3~4時間 | 138,000円~ |
3LDK | 3~4時間 | 150,000円~ |
4LDK | 4~5時間 | 200,000円~ |
一般的な戸建て(庭付き) | 5~7時間 | 250,000円~ |
※必要品と不要品の仕分け作業、養生、梱包、搬出、水回りを含む90~120分程度の清掃・車両・合同供養・処分代金がすべて含まれた金額です。買い取り可能な遺品を発見した場合は請求金額から差し引きます。
まとめ
ここまでお読みいただいてご理解いただけたと思いますが、遺品整理は単なる片付けではありません。貴重品から廃棄物まであらゆる遺品を適切に整理するための作業です。ここでは独自のスキルとノウハウが求められます。私たち遺品整理ふくろうは親切、ていねい、責任感のある作業をお約束します。遺品整理のことなら何でもお問い合わせください。きっとお役に立てると思います。
この記事の監修者
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保有資格:行政書士、宅地建物取引士、空き家相談士、 競売不動産取扱主任者
実績:遺品整理業界20年 通算1万件以上の遺品整理、特殊清掃を行う。
遺品整理ふくろうにて相続手続きや不動産の売却など担当。株式会社イマジンライフの代表取締役であり、行政書士、宅地建物取引士等、複数の資格を保有する不動産のプロフェッショナル。昨今、増え続ける遺品整理時の相続問題や空き家問題に貢献するべく遺品整理ふくろうに2021年よりジョイン。
その他、来日外国人のビザ・在留資格をサポートなど幅広い業務に従事している。
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