遺品整理いつから?始めるタイミング時期を プロが解説
何事でもそうですが、やろうやろうと思っているうちに延び延びとなり、いつしか歳月が過ぎてしまう、ということがよくあります。遺品整理は故人への思慕が強ければ強いほど、ついそのままにしてしまうのではないでしょうか。しかし、いつかは手を付けなければなりません。さて、いつから始めるか、そのタイミングについて考えてみましょう。
目次
遺品整理を始めるタイミング時期とは?
遺品整理を始めるタイミング時期として、下記4つございます。
①四十九日法要後
仏教では故人の霊がこの世からあの世に渡るにあたり、四十九日間の猶予期間があると考えられています。そして霊は個々にふさわしい輪廻転生や極楽往生に向かうのです。したがって遺品整理も四十九日を過ぎた段階で始めるべきだとの考えがあります。なお神道では五十日目が忌明けとされているので、それに従うことになります。キリスト教の場合、故人は天国に帰ったことになるので、特にタイミングについて決まりはありません。
②手続きの終了後
人が亡くなると、残された家族や後見人は多くの手続きをしなくてはなりません。医師に死亡診断書を書いてもらうところから始まり、市区町村への死亡届、生活上の手続き(電気、ガス、水道、銀行、年金、保険等)など、多忙を極めることになります。これら社会生活上の手続きが落ち着いた時点で遺品整理を始めるという考え方があります。
③葬儀直後
すこし忙しいですが、葬儀が終わったらなるべく早く遺品整理に取り掛かるという考え方があります。特に故人が賃貸住宅に住んでいた場合は、これが正解です。なぜなら家族や相続人が余計な家賃を払うことになるので、不動産の賃貸契約はなるべく早く終わらせるべきなのです。この場合、いつからと悩んでいる暇はありません。葬儀終了後に速やかに日程を組むようにします。
④相続税の課税基準日の前
故人に現金、預貯金、有価証券、不動産、債権などの財産があれば、それを相続する法定相続人に相続税が掛かります。相続税には立場に応じて非課税枠がありますが、いずれにしても相続税の申告書を作成して管轄の税務署に届けなければなりません。その期限として死後10か月以内に申告・納税することが定められています。したがって遺品整理を早めに済ませ、期限までに手続きする必要があります。なお遺品整理をすれば、相続する貴重品や家財道具等の捜索もできますから一石二鳥といったところです。
大切なご家族をなくされたなかでの遺品整理はつらいことも。しかし、ご遺族の心の整理になる側面もあります。
自分のペースで始められないパターンは?
遺品整理を始めようと思っても、自分が「いつから」と思い描いた日程で実行できない場合があります。それは次のようなパターンです。
- 賃貸物件で急を要する
- 不動産や家財道具に抵当権が設定されている
- 遺品整理の前に特殊清掃が必要
- お金がなくて費用が払えない
- 故人への愛情が深くて遺品を捨てられない
- その他
そんな時は、遺品整理の専門業者に相談してみることをおすすめします。豊富な経験を持った業者であれば、かゆいところに手が届くアドバイスをしてくれると思います。
遺品整理士のプロから見たベストなタイミングは?
ベストなタイミングは、それぞれの事情によって違います。まず故人の住まいが「自己所有か賃貸物件か」によって時間的余裕があるかないかに分かれます。
葬儀終了直後など早いほどベストなタイミングといえるでしょう。
多少余裕があるので、四十九日の法要後あたりがおすすめではないでしょうか。
なぜなら四十九日法要は親戚縁者が集まるので、遺産相続の相談や形見分けなどによい機会だからです。
遺品整理を始めるには絶好のタイミングといえるでしょう。
遺品整理を始める時の2つの注意点
遺品整理業者の立場から、注意すべき2点を挙げさせて頂きます。
①お客様が遺品を「箱詰め」や「袋詰め」をしてしまうこと
これは絶対に避けてほしい行動です。なぜなら自治体によって分別が違うことと、業者は物品の内容を必ず自分の目で確認するため、出し入れで二度手間になってしまうからです。
②遺族の合意が得られていないケース
家族や相続人が複数いる場合は遺言書やエンディングノートの確認または「全員の合意」を取ることを推奨します。ゴミや不用品の処分などを含めた遺品整理を善意で実施したとしても「(骨董品や美術品など)金銭的価値のあるものを勝手に自分のものにしたのでは?」と他の家族や相続人と相続財産のトラブルになることがあります。また、故人の思い出(写真、アルバムなど)の品を粗大ごみにしてしまったなども同様です。全員で遺品整理の方針を話し合っておくことが必要です。
結論 遺品整理業者に依頼することをおすすめします
遺品整理は心の整理。片付けることで残された人々は生まれ変わります。家族や後継者のみなさんが自分で遺品整理をしようとしても、なかなか円滑に進められません。故人への想いが残っていたり、遠方であったり、日々の仕事や家事が忙しくて時間が取れないなど、いろいろな事情があると思います。
そんな時は遺品整理の専門業者に依頼するのもひとつの方策です。以下、業者に任せるメリットとデメリットをまとめて見ました。
【メリット】
- 効率よく短時間で整理できる
- 遺品整理と同時にゴミや不用品も排出できる
- きれいに清掃してくれる
- 精神的、身体的負担が軽減される
- 貴重品の捜索が得意
- 必要・不必要の仕分けがていねい
- 遺品処分から供養までしてくれる。
【デメリット】
- 料金を払わねばならない
- 広さと物量によっては高額になる
- 業者選定や相見積もりの手間が掛かる
この記事の監修者
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自らお見積り、遺品整理、特殊清掃、不動産調査を担当。現場を肌で感じお客様の要望を常に意識している。「誠意」と「技術」を信条とし、ご遺族様に心から寄り添い、真心の遺品整理や生前整理を日々行う。
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