特殊清掃員は儲かるの? 求人や給料の実態は?

こんにちわ。ふくろうで遺品整理士、特殊清掃員として働くSです。
日頃、特殊清掃員って儲かるの?現場はキツイ?等々、よく質問を受けるので、今回は私の所感をまとめてみましたので、
興味のある人はぜひ、ご一読ください。

激化する遺品整理・特殊清掃業界。業界の行き先は良好も競争激化

私は30代後半の独身男性で、遺品整理と特殊清掃のサービスを提供する当社に勤務しています。遺品整理は亡くなった方の住まいを片づける仕事で、特殊清掃は孤独死などで汚染された環境を元通り(原状回復)にする仕事です。遺品整理と特殊清掃のスタッフは、ほとんどが両方の業務を兼務しています。つまり両方の知識と技術がないとダメということです。民間資格ですが「遺品整理士」「事件現場特殊清掃士」「脱臭マイスター」などを取得している写真が在籍している会社が増えてきました。

一時期、テレビや雑誌で紹介されることも多かったせいか、遺品整理と特殊清掃の業界に参入する人は多く、ちょっとしたブームの感もありました。フライヤーやホームページなどもよく見かけますが、今はライバルが多くなりすぎて、さすがに頭打ちのようです。日本はこれからどんどん高齢化していき、人口が減っていくので、遺品整理も特殊清掃も需要は尽きないと思いますが、HOMESのような大手企業も参入し、しかも独立という形で中小零細企業の競合も多くなり、競争は激化していくと思われますが、中長期的に見れば決して悪い業界ではありません。

人手は意外に不足していない

この業界ではそれなりの求人数はありますが、人が大幅に不足しているようには見えません。知識と技術を獲得したら独立する人が多いので、事業所の数は多いけれど少数精鋭でやっているところが多く、新規採用を求める業者は意外と少ない印象があります。入社したいと思ったら、飛び込み訪問でアピールしてみるか、ホームページでメールを出してみるか、ある程度の熱意が必要かもしれません。

特殊清掃員になるには?

では、具体的に特殊清掃員になるにはどうしたらよいでしょうか?
遺体による異臭や汚染を除去して原状回復させるのが特殊清掃員の仕事です。私のように特殊清掃員になろうと思ったら、まずいろいろな手段で情報を集めることですね。

先程も述べましたが具体的には新聞や雑誌の求人欄を見たり、ホームページを検索したり、ハローワークに登録したり、一般的に思いつく就職活動を「特殊清掃員」というキーワードでトライしてください。この業界は資格やコネクションではなく、熱意と責任感がすべてです。あなたが真剣に動くことで、必ず特殊清掃員になれるはずです。

特殊清掃員に資格はある?それは絶対に必要?

特殊清掃員について国や自治体が定めた公的資格は今のところありません。しかし業界にはいくつかの民間資格があります。もっともよく知られているのは事件現場特殊清掃センターが認定する「事件現場特殊清掃士」という資格もあり、特殊清掃の基礎知識や事例研究を学ぶことで認定されますが絶対に必要なわけではありませんが「事件現場特殊清掃士」の認定を受けることによってお客様に安定したサービスをご提供することが可能となります。

また、現在特殊清掃の現場で注目されているのが一般社団法人・日本除菌脱臭サービス協会の「脱臭マイスター」です。特殊清掃が必要な現場で最も改善しなければならないことが「臭い」です。ご遺体の体液等から発せられる「死臭」と呼ばれる独特の臭いは、知識のない中で中途半端に対応しても決して取れません。正しい知識と技術が必要です。

これも絶対必要なわけではありませんが、臭いが取れないと生活するのが困難になるため脱臭の技術はクライアントから一番求められる要素になるので取得しておくと特殊清掃員として有利になります。


当社にも資格保有者はもちろんおります。

特殊清掃員になるには心構えが必要

特殊清掃という仕事は、人の命と暮らしの終局に深くかかわるものだと思います。
そして死の現実に直面します。私も清掃作業をしながら、つらい気持ちになることがよくあります。
なので、特殊清掃員には資格以上に心構えが必要になってくるでしょう。
【感染しない/させない】
現場には亡くなった方の血液、体液、時には肉片などが残されています。それらは絶対に触れることなく処理しましょう。防護服を着るなどの感染対策は万全に。
【正しい手順で作業する】
特殊清掃については各社独自のマニュアルがあると思います。そこには清掃方法や安全対策について詳しく書かれているはずですので、正しい手順で作業するようにします。
【必ず原状回復させる】
特殊清掃員の使命はどのような現場でも元どおり原状回復させることです。異臭、汚染、害虫などの多くの問題を解決し、依頼人に満足していただきましょう。
【亡くなった方に敬意を】
遺品整理や特殊清掃で忘れてならないのは亡くなった方への敬意です。現場にはその方が生きていらした頃の痕跡や想いが残されています。私は特殊清掃員として、それらを粗末に扱うことなく、敬意を払って清掃するようにしています。

気になる特殊清掃員の給料は夢があるのか!?

特に特殊清掃は害虫や血液や体液や腐敗臭との厳しい戦いです。だから儲かる、給料が高いと思いがちですが、実は期待するほどの高収入ではないのです。私は現在の会社に就職してもう6年目になりますが、基本給は30万円くらいです。仕事柄、早朝作業や夜間作業があるので手当もつきますが、それでも月数万円です。でも正社員で身分が安定しているので安心感はあります。もしパート・アルバイトで特殊清掃に従事したとしたら、仮に時給2000円として8時間労働で1日16,000円、月22日計算で352,000円。でも仕事がない日もあるので不安定な部分もあります。大変な仕事で収入が不安定だとストレスになるのでやはり正規雇用を考えた方が良いと思います。

それから作業着などのこまめな洗濯等、仕事が終わってからの作業も一苦労です。男性とはいえ臭いや汚れを放置できません。特に作業中に来ていた衣服には臭いが付着しているので、帰社後、すぐに洗濯をしないと、次の現場などで作業着から異臭が立ち込め、お客様に不快感を与えてしまう可能性があります。

結論、儲けることよりも社会貢献をしたい人におすすめ!

結論! 特殊清掃員だからといって一攫千金のような期待は抱かない方が無難です。社会的意義など、高潔な使命感のある人でないと続かないかもしれません。業界の草創期には月収50万円とか100万円とか夢のような話もあったようですが、いまはもう過去の話。特殊清掃員も地味に堅実に毎日を暮らしているのです。

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この記事の監修者

山本 真一郎
山本 真一郎株式会社ふくろう 代表取締役
自らお見積り、遺品整理、特殊清掃、不動産調査を担当。現場を肌で感じお客様の要望を常に意識している。「誠意」と「技術」を信条とし、ご遺族様に心から寄り添い、真心の遺品整理や生前整理を日々行う。
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