遺品整理を伴う相続の流れについて行政書士、宅建資格者が解説

このページの監修者
行政書士 彦田 純一

身内が亡くなり、不動産をはじめとした財産の相続をすることになった場合、遺品の整理も引き受けるのが相続人の役割となります。ただ、ここで気を付けたいのが相続手続きと遺品整理のタイミングです。相続は引き受けるだけでなく場合によっては放棄するという選択肢もあり、何も考えずに相続人だからといきなり遺品を整理してしまうと思わぬトラブルになる場合があります。この記事では行政書士/宅建資格者といった相続・不動産のプロの視点からトラブル回避のポイントを解説していきます。

遺品整理をめぐる相続手続きで注意すべき点

血縁者が死去して相続が発生した場合、法定相続人が財産等を引き継ぐことになります。しかし相続の権利を持つ人は相続するか、相続放棄するか、最初に選択する必要があります。
相続放棄とはあえて相続をしないという選択肢です。相続放棄すると故人のプラスの財産(不動産、金融資産など)も、マイナスの財産(借入金、未払金など)も、すべて受け継がないことになります。相続するか相続放棄するかの判断基準は多くの場合「故人に借金があるかないか」によります。資産と負債を見比べてプラスになるようなら相続するのが自然でしょう。

財産の引き継ぎをする(相続)か、しない(相続放棄)かの申告は、相続の開始を知った時点から3か月以内、相続税の申告は10か月以内が期限となっています。これを忘れるとトラブルになります。相続にまつわる財産をすべて整理するにはかなりの手間と時間が掛かるので、なるべく早めに遺品整理に取り掛かるようにしましょう。

かといって急いで遺品整理に手を付けると民法上の「単純承認」にあたり、相続放棄ができなくなる可能性があるため要注意です。もし相続放棄という選択肢も考えられるのなら、その決断の前に遺品整理をはじめることは避けるようにしましょう。遺品整理をはじめることで民法921条に定められている「単純承認」に該当する可能性があるからです。
参考までに民法920条と921条では次のように定められています(要旨)。

(920条)

相続人が単純承認をしたときは無限に被相続人の権利義務を承継する。

(921条)

次に掲げる場合には相続人は単純承認したものとみなす。
①相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし保存行為及び第六百二条に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りではない。
②相続人が第九百十五条第一項の期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかったとき。
③相続人が限定承認又は相続の放棄をした後であっても、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、密かにこれを消費し、又は悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。ただし、その相続人が相続の放棄をしたことによって相続人となった者が相続の承認をした後は、この限りではない。

補足コラム

見落としがちなその他の注意点

負債がどのくらいかわからないからと言って、いつまでも放っておく事は新たな問題を生じさせてしまいます。

例えば負債があった場合、未払いによる利息や損害金等の発生や、債権者から債務不履行による訴訟(簡易訴訟)を起こされてしまう事があるからです。

当社では負債がどのくらいあるかの判断が付かない場合、見積もりの時点で負債状況の概ねの判断が出来る段階までの調査を行うことが可能です。

朝8時〜夜8時まで電話で無料相談・お見積を毎日受付。お気軽にどうぞ。

ふくろうへのお問い合わせは、以下の3種類をご用意しています。

相続する際は必ず遺品を確認しよう

相続財産の内容と価値を早めに確定するために遺品整理という作業は必要不可欠です。相続税を計算したり、複数の相続人がいるときは遺産分割をしたりしますが、そのためにはすべての相続財産を金額で把握しなければなりません。相続財産として扱われるものは不動産や金融資産に限らず、以下のように多種多様なものがあります。遺産の相続争いが起きるのは価値のある財産(プラスの財産)が残されている場合です。

【価値のある財産】

現金 預貯金
積立金 投資金
有価証券 不動産
保険金 貴金属
美術品 骨董品
自動車 著作権、商標権
会員権(ゴルフクラブ等)

【価値がないかマイナスになる財産】

借金 買掛金
税金の滞納 保証債務
家賃等の未払金 住宅ローン(無保険)の残債
クレジットカードの未決済金 医療費の清算分
葬式費用

遺品を整理するときに大事なことは必ず現物を見ること、そして査定のできる専門家の協力を仰ぐことです。遺品整理では「捨てる」という決断が最も大切ですが、価値のある物は換金して現金を相続に含めるようにします。置物や絵画に想定以上の値が付いたり、古い家具に骨董的価値があったり、意外なことも起きがちです。単に遺品のリストを眺めるだけでなく、実物を手に取って確認するようにしましょう。遺品は遺品らしく正しく査定して行先を決めてあげるのが最善の道です。

補足コラム

相続人同士で揉めないために抑えたいポイント

相続手続きは行政手続き、金融機関手続き等、普段はあまり使わない法律行為の連続と、膨大な書類の用意及び関係各所(行政機関、金融機関)へ赴かなくてはならないという手間ばかり掛かります。

又、元々は良好の関係であった相続人同士が、相続手続きをしている中、ほんの些細な事で揉めてしまった事例も少なくありません。

その為、相続人同士の関係性が良好でも中立した第三者(士業有資格者)に介入してもらい、円滑に相続手続きをしてもらう事が良いでしょう。

相続に伴う遺品整理時の難関は不動産管理に必要な重要書類探し

不動産を相続して売却するときにはたくさんの書類が必要になります。これから書く書類ならまだしも、古い書類を探さなくてはならない場合もあります。不動産を購入したときの費用がわからないと支払う税金が多くなることがあります。あなたは故人の土地家屋権利証や不動産売買契約書がどこにあるかわかっているでしょうか。行方不明の時は遺品整理が必要になります。重要書類は早く見つけておかないと事務処理に時間が掛かり、何かと問題が発生します。遺品整理の専門家に相談して1日でも早く発見しておきましょう。

補足コラム

不動産の重要書類が見つからない場合もご安心ください

当社では重要書類が見つからなかった場合、
行政機関に故人名義の不動産であるかの確認を行い、
一定の手続きをした後、不動産の名義変更手続きを行わせて頂きます。

優れた不動産管理を実現する5つの条件。適切な業者探しがキモ

資金力が豊富で高額でも土地家屋の即日買取りができる業者を見つけておくこと。

ワケあり不動産物件でも気持ちよく買取る業者と親しくなっておくこと。不整形地、違法建築、廃墟、事故物件、再建築不可物件、借地、底地などにも対応要。

不動産の相続や遺品整理について相談や査定を無料で引き受けてくれること。

対応できるエリアが広い不動産業者であること。円滑な売却が期待できる。

秘密厳守、個人情報の管理に優れた不動産業者であること。

相続した不動産のメリット、デメリット

相続に不動産(土地・家屋等)が含まれている場合は、相続人が売却するか所有を続けるかの決断に迫られます。不動産のメリットとデメリットをよく考えて行動に移すようにしましょう。

【不動産を売却する場合のメリット、デメリット】

(メリット)
・すぐに使える現金化ができる
・複数の相続人への分配が用意
・固定資産税や維持費などがかからなくなる

相続した不動産を売却することで得られる最も大きなメリットは「現金」が手に入ることです。経理用語で言えば「固定資産」が「現金」や「預貯金」や「流動資産」に科目を変えます。すなわちすぐに使えるお金になるわけです。

そうなると資金の流動性が高まりますから複数の相続人がいる場合でも容易に分配できるようになります。また相続人が相続税を支払う際に資金が不足していたとしても不動産を売却した現金を納税に充てることができます。

不動産を売却した後は固定資産税、都市計画税、維持管理費などが不要になるので家計の負担が軽くなります。こうした節約系のメリットも馬鹿になりません。相続した不動産を売却することには、以上のようなメリットがあります。

(デメリット)
・特になし

補足ですが、逆に不動産を売却することに大きなデメリットはありません。強いて言えば売却手続きが面倒というくらいです。こう考えてくると相続した不動産はそこに住まないのであれば速やかに売却するのが得策と言えるかもしれません。

【不動産を維持する場合のメリット、デメリット】

(メリット)
・不動産ビジネスを期待できる
・思い出を残すことができる
相続した不動産を所有し続けるメリットはそこで事業を営むとか思い出の家を残すとかいろいろ考えられます。

(デメリット)
・固定資産税等がかかる
・空き家などになった場合にはペナルティを受ける場合がある
相続した不動産を相続人が所有し続けた場合に想定できるデメリットを挙げると、今後も固定資産税と都市計画税の課税が続き、土地家屋の維持管理費も必要になることです。賃貸等で利益を生む仕組みにすればよいのですが、不動産を所有して空室や廃墟にしてしまうと自治体によってはペナルティを課すこともあるので注意が必要です。

よく考えて方策を練るようにしましょう。

補足コラム

いつまでも売り先が見つからない場合にどうしたらよいか?

①価格や条件については所有者様との協議が必要ですが、ケースによっては当社のグループ会社での受入保証の検討も可能です。お気軽にご相談ください。

②いつまでも売れない場合にはこんなデメリットも

(1)罰則

行政機関から「特定空家」に指定されてしまうと50万円以下の過料が課されます。又、代執行法により行政機関が所有者に代わって建物を解体された場合、解体費用は所有者負担となりますので注意しましょう
※特定空家・・倒壊の恐れがある、放置する事が不適切な状態にある建物

(2)そののデメリット

管理リスクが考えられます。
例)建物が火災によって延焼し、
隣家を巻き込んだ場合は管理責任を問われます。
例)不審者や動物が住みついて通報により警察からの指導
例)立木等が伸びて隣家からの伐採請求

遺品整理は相続人が行うのが基本

亡くなった方がこの世に残したものは、価値があるかないかは別にして、すべて遺品ということになります。ですから原則として所有権は故人から相続人に移動して相続財産にリストアップされます。すなわち法律上は「故人がこの世に残した物品は相続人が受け継ぐ」ことになっています。

ということはその遺品が必要か不要か、保存するか廃棄するか、というような判断はあくまでも相続人の裁量に委ねられることになります。相続人の財産である遺品を処分できるのは相続人本人だけです。親類縁者であろうと後見人であろうと親しい友人であろうと他人が勝手に処分することはできません。ですから遺品整理は相続人の指揮管理のもとで行うのが基本です。

もし多忙な日々を送っているので遺品整理をする時間がないなどの事情があるとします。そんな際でも相続人が責任をもって遺品整理を行わないと思わぬトラブルに見舞われる可能性があります。また窃盗を誘発してしまうケースもあります。

相続物件の近くにいる親戚がいたとしても任せてしまいたくなる気持ちを抑えてご自身で行ってください。遺品が相続人の所有である以上どんなに親しい人物だとしても処分する権利はないのです。

なお弊社は遺品整理と相続の専門的な知識があり、経験と実績が豊富な業者となります。まずは弊社のような業者へ相談や査定を依頼いただくとワンストップで作業や手続きが進められます。この場合は相続人の指示のもとでプロフェッショナルが仕事をしますので安心して任せられます。

相続の前提である遺品整理の流れ

相続の前提である遺品整理は大きく2つの流れがあります。
それは相続手続きと遺品整理です。それぞれの流れは以下の通りですが、
これまで説明してきたように遺品整理を行うタイミングだけは判断を間違わないようにご注意ください。

相続手続き代行の流れ

1

対象者の逝去・死亡届提出

2

遺言書の確認(存在する場合は家庭裁判所の検認を受ける)

3

「ふくろう」に電話『どうしたらいいかワカラナイ!』

4

訪問(ご相談、お申し込み)『手続きのこと全部できます』

5

調査(家族と血縁者の戸籍集めなど)『面倒なことはすべて「ふくろう」におまかせ』

6

書類作成(登記や納税等)『司法書士や行政書士がお引き受けします』

7

完了の報告『迅速、丁寧に詳細をご報告します』

遺品整理の流れ

1

相続相談の際に遺整理の希望を伝える

2

現地で見積もり

3

見積もり提出『お見積が合わないときはお断りでもかまいません。』

4

相続の方向性が確定次第、遺品整理作業

5

完了報告『迅速、丁寧に詳細をご報告します』

6

売却を希望の場合はご相談ください。『ふくろうが最適な売却を行います。』

補足コラム

どんなタイミングでの依頼がベスト?

これは一言に尽きます。

「何から手を付けていいかわからない」

そう思った時がベストのタイミングです。

朝8時〜夜8時まで電話で無料相談・お見積を毎日受付。お気軽にどうぞ。

ふくろうへのお問い合わせは、以下の3種類をご用意しています。

私達は責任ある立場です。お客様との約束は必ず守ります。

私たちふくろうのスタッフ一同は業界の最古参となる会社で研鑽を積んできました。長年の経験と実績をもって新たに遺品整理ふくろうとしてスタートしたからには、代表の小川をはじめ、スタッフ全員が責任をもってお客さまとのお約束を必ず守ります。

この記事の監修者

彦田純一
彦田純一株式会社ふくろう 相続手続き全般、不動産調査担当
保有資格:行政書士、宅地建物取引士、空き家相談士、 競売不動産取扱主任者
実績:遺品整理業界20年 通算1万件以上の遺品整理、特殊清掃を行う。

遺品整理ふくろうにて相続手続きや不動産の売却など担当。株式会社イマジンライフの代表取締役であり、行政書士、宅地建物取引士等、複数の資格を保有する不動産のプロフェッショナル。昨今、増え続ける遺品整理時の相続問題や空き家問題に貢献するべく遺品整理ふくろうに2021年よりジョイン。
その他、来日外国人のビザ・在留資格をサポートなど幅広い業務に従事している。

一覧へ