騙されない遺品整理の費用、料金相場の内訳まで解説

遺品整理は専門業者に依頼するのが安心です。必要なものと不要なものの仕分け、供養が必要な場合の手配、遺族にお返しすべき記念品の見極め、ゴミや産業廃棄物として処分するもの、リユースやリサイクルに回すものなど的確に処理できるからです。ここでは遺品整理専門業者に頼んだ場合の料金について考察します。

適正価格はズバリいくら?

遺品整理の適正価格は一体いくらなの?と、お悩みになるお客様も多いと思います。見積もりで、物量、人件費、運搬費を積算することは理解できても、あらかじめわかりやすい金額がズバリと提示されないと見当がつきません。ここでは「遺品整理業者の平均的な費用相場」と「遺品整理ふくろう」の料金表を参考までに引用しておきます。

遺品整理業者の平均的な費用相場

間取り 作業時間(目安) 料金
1R・1K 1~3時間 30,000~80,000円
1DK~1LDK 2~6時間 55,000~200,000円
2DK~2LDK 2~8時間 90,000~450,000円
3DK~3LDK 4~12時間 150,000~400,000円
 4LDK以上   6~15時間 250,000~500,000円

※企業ごとに料金や作業時間に差があるため幅を持たせた表記にしています。

遺品整理ふくろうの費用相場

間取り 作業時間(目安) 料金
1K 1時間程度 25,000円~
1DK 1~2時間 55,000円~
1LDK 1~2時間 70,000円~
2DK 2~3時間 89,000円~
2LDK 2~3時間 99,000円~
3DK 3~4時間 138,000円~
3LDK 3~4時間 150,000円~
4LDK 4~5時間 200,000円~
一般的な戸建て(庭付き) 5~7時間 250,000円~

※必要品と不要品の仕分け作業、養生、梱包、搬出、水回りを含む90~120分程度の清掃・車両・合同供養・処分代金がすべて含まれた金額です。買い取り可能な遺品を発見した場合は請求金額から差し引きます。

遺品整理料金の中身・内訳とは?

遺品整理料金の中身を内訳で見てみると、おおむね次のような要素になります。見積もりに当たっては、担当者がこれらの要素を積算し、金額を提示します。

①物量
遺品整理で最も基本となるのが物量です。現地にある荷物が多ければ多いほど、作業料や運搬料が増加します。逆に回収する物量が少なければ、作業も早く終わり、廃棄物処理などに掛かる処分料も少なくて済むので、料金は安くなります。

②人件費

作業員の数×作業に掛かる時間=人件費

一般的に作業員は1部屋1人で担当し、それに搬出係1人と積み込み・車両監視係が1人です。仮に3部屋であれば5人体制が標準的ということになります。ただし荷物が多い場合や少ない場合は、それに合わせて増減し、適正な人件費を算出します。人件費には原則として片付け、梱包、撤去等の基本的な作業費が含まれています。

③運搬費
遺品は、現地に残すものと遺族等が引き取るもの以外、運び出して処分することになります。この際、保管場所や最終処分場まで運搬する費用が掛かります。見積もりの様式によっては運搬費と車両費が別項目になる場合もあります。

遺品性料金の見積書
見積りの内容に注目してください

業者によって料金に差が出る理由

料金表を参考にして業者を絞り、現地を「無料見積もり」してもらうと、遺品整理に掛かる料金がかなり明確になります。しかし、それでも業者によって料金に差が出る場合があります。それは何故なのでしょう。

①広告費をたくさん使っているかどうか
遺品整理の注文を獲得するために大量の広告を出稿し、その広告費を遺品整理の原価に転嫁している場合、他社よりも料金が高くなります。特に新聞、雑誌、チラシなどの紙媒体で広告を打っている業者は膨大な広告費が掛かるので要注意です。ホームページやメールマガジンであれば広告費は比較的安く上がります。

②リユース、リサイクルのルートを持っているかどうか
リユース(再使用)やリサイクル(再資源化)が得意で、独自のルートを持っている業者は、遺品整理で出た物品を引き渡して収入を得ることができます。その分、お客様に安くサービスを提供できるわけです。見積もりの際に、その業者がリユースやリサイクルを活用しているかどうか確認してみるとよいでしょう。

③廃棄物処理する地域の違い
業者が一般廃棄物(ゴミ)や産業廃棄物を処理するには市区町村の施設(クリーンセンター等)に持ち込みます。その際に掛かる処分費用は各市区町村で差があるため、どの地域で処分するかによって料金に差が生じます。例えば、首都圏の某自治体ではゴミ処理費用を体積(1立方メートル当たり)で決めていますが、別の某自治体では重量(1kg当たり)で決めています。この場合、物品によっては費用に倍近い差が出ることがあります。そうしたことにノウハウのある業者とない業者では料金に差が出ます。

④中間マージンがあるかないか
インターネット上で一見すると遺品整理業者を装っていても、なかには、アパートの1室、電話1本で営業のみをしているケースがあります。いわゆるブローカーという形態で、右から左へ仕事を流すだけの中間業者です。当然、そこでは中間マージンが発生します。お客様から注文を受けた業者と実際に作業する業者が同じなら問題ないのですが、もし中間業者が入っていると料金は高くなります。中間マージンはお客様にとってムダ金ですから注意が必要です。

安すぎる業者には注意が必要

遺品整理の激安業者にご注意
遺品整理の一般的な相場より、かなり安く料金を提示している業者がいます。あまりに安すぎる業者には注意が必要です。

最も問題なのは不法投棄をする業者です。昨今は環境破壊への関心が高まり、法令で罰則が厳しくなる傾向にあるため、昔のようなあからさまな不法投棄は減ったように思われます。しかし郊外の山道や海岸などに廃棄物が巻き散らかされている情景をたまに目にします。この不法投棄、廃棄物から氏名や住所が判明すれば、不法投棄した業者でなく、所有していた本人に連絡が来ます。もしも遺品整理のゴミや不用品が不法投棄で摘発されたら、故人や家族は悔やんでも悔やみきれないのではないでしょうか。

料金が安すぎる場合は要注意です。

遺品整理の料金が安すぎる場合、もうひとつ、考えられる原因があります。それは作業員の人数を極端に減らしているケースです。人件費が減れば安くなるのは当然です。しかし遺品整理の場合、ていねいな作業が求められることもあり、どうしても時間が掛かるものです。そこで人を減らせば、作業時間が延長し、他の工程に何らかのしわよせが行くことが考えられます。安すぎると思ったら、終了時間をきちんと聞いておくとよいでしょう。

料金を少しでも安くしたい人にお伝えしたいこと

遺品整理の料金を節約したいと思う方に、その方法をアドバイスしましょう。それは、まず物量を減らすこと。市区町村のゴミ収集に出すか、クリーンセンターに持参するかして、出来るだけ自分で処理するのが一番安上がりです。

遺品を捨てずに活かす方法として、リサイクルショップや遺品整理業者の「買取り」を利用する手があります。特に白物家電(5年以内)などは喜んで買い取ってくれますので、交渉してみることをおすすめします。

この記事の監修者

山本 真一郎
山本 真一郎株式会社ふくろう 代表取締役
自らお見積り、遺品整理、特殊清掃、不動産調査を担当。現場を肌で感じお客様の要望を常に意識している。「誠意」と「技術」を信条とし、ご遺族様に心から寄り添い、真心の遺品整理や生前整理を日々行う。
詳しいプロフィールはこちら

一覧へ